「力道山」は、日韓合作プロジェクトで製作された作品です。
日韓国交正常化40周年になる2005年、韓国で封切りされ、
日本でも公開されました。
この作品は、力道山を主人公にした伝記映画であり、
最初は相撲を始めたが、後に日本の伝説的なプロレスラーとなった
在日朝鮮人の力道山の生涯をもとにしています。
力道山役を演じたのはソル・ギョングさんです。韓国では演技派俳優として
もっとも評価されています。彼はこの映画のために、30キロ近く体重を増やし、
日本語を学び、代役なしでプロレスンリングのシーンを撮影しました。
ソルさんは、映画での力道山という人物について、このように述べました。
「ある意味では大きな傷をもって、精神的な傷をもって生きていた…
心がとても貧しい 貧しかった… いつも孤独だった。
観衆の前で「ショーマンシップ」を見せて多くの人たちを楽しませ、
感動させたけれど、いざ振り返って一人になった時には自分一人しか
いなかった…そんな人ではなかったかと思います」
そして力道山を支えた妻の役を中谷美紀さんが演じました。
中谷さんは
、「見た目は究竟そうに見えますが、
故郷がない、北朝鮮から来ていますから帰れない、帰る場所がない。
そこからの人間の孤独感というのは計り知れないものではないかなと
思います。むしろ人に与えた夢と裏腹にあるいは自分が浴びていた
スポットライトと裏腹に、光に対して影がものすごく大きかった印象が
あります」と、コメントされたことがあります。
映画は、国民的な英雄の力道山という人物を、戦後間もない日本の時代を
生きる在日朝鮮人の孤独にフォーカスを当てているようです。